どのようにして聖書を読み始めればよいのでしょうか。

フィンランド語原版執筆者: 
エルッキ・コスケンニエミ(フィンランドルーテル福音協会、神学博士)
日本語版翻訳および編集責任者: 
高木賢(フィンランドルーテル福音協会、神学修士)

聖書を読み始める際に一番良い方法は、福音書をひとつ選んで、それを初めから終わりまで読むことです。
どの福音書から読み始めるかを決めるのは簡単ではないかもしれません。
どの福音書にもそれぞれ独自の魅力的な特徴があるからです。
「マルコによる福音書」は素朴な美しさを湛えています。
荒削りの魅力がそこにはあります。
「ヨハネによる福音書」を繙くと、暖かく美しく彩られた世界が待ち受けています。
ともあれ、福音書から読み始めてください。
まず、それら四つの福音書をすべて通して読んで、それから順々に新約聖書の他の書物にも手を伸ばすとよいでしょう。
ひとつの書物を選んでそれを初めから終わりまで読む、ということを自分のペースに合わせて毎日続けていくのです。

新約聖書を全部通して二回ぐらい読んだ後には、旧約聖書に移りましょう。
最初の「創世記」とその次の「出エジプト記」は楽に読みこなせるでしょう。
しかし、その後の書物に記されている当時のユダヤ人に対する律法の諸規定は、あなたにはすいぶん奇妙なものに思われるかもしれません。
それらの律法は、ユダヤ人以外の人にとっては直接は関係がないからです。
旧約聖書は伝統的に「律法」と「預言者」とその他の「諸書」の三部に分けられます。
「預言者」の部を読むときには、いつどのような歴史的状況の中でそれぞれの預言者が活動したかを学ぶのが大切です。
そのことについて解説書などを参照する必要も出てくるかもしれません。
しかし、その努力は無駄にはなりません。
旧約聖書と同じく、新約聖書もまた真の宝箱だからです。

「神の言葉はみな真実である、
神は彼に寄り頼む者の盾である。」
(聖書の箴言30章5節)

親愛なる神様、説明してくれる人がいなければ、どうして理解できましょうか。 どうか、聖書を学び始めようとしている私のことを助けてください。